ファン・ジニ「奉別蘇判書世讓」
ファン・ジニ(황진이)は朝鮮中宗(11代王:1488~1544)の時の詩人、朝鮮時代最高の芸者と言われています。朝鮮を代表する哲学者 徐敬徳(ソ・ギョントク서경덕)と、北の黄海道にある朴淵滝という滝(パクヨンポクポ;박연폭포)と一緒に松都三絶(송도3절)と呼ばれています。ファン・ジニは、どこに行っても博識な両班たちと肩を並べて話し合い詩を作りました。歌にも優れてその音色が清雅でしたし、琴の演奏も上手で「琴の天女」と誉められたと言われています。(左図は詩の主人公蘇世譲さんの筆跡) |
황진이 「봉별소판서세양」
月下梧桐盡 달빛 아래 오동잎 모두 지고
霜中野菊黃 서리 맞은 들국화는 노랗게 피었구나.
樓高天一尺 누각은 높아 하늘에 닿고
人醉酒千觴 오가는 술잔은 취하여도 끝이 없네.
流水和琴冷 흐르는 물은 거문고와 같이 차고
梅花入笛香 매화는 피리에 서려 향기로워라
明朝相別後 내일 아침 님 보내고 나면
情與碧波長 사무치는 정 물결처럼 끝이 없으리.
月下梧桐盡 달빛 아래 오동잎 모두 지고
霜中野菊黃 서리 맞은 들국화는 노랗게 피었구나.
樓高天一尺 누각은 높아 하늘에 닿고
人醉酒千觴 오가는 술잔은 취하여도 끝이 없네.
流水和琴冷 흐르는 물은 거문고와 같이 차고
梅花入笛香 매화는 피리에 서려 향기로워라
明朝相別後 내일 아침 님 보내고 나면
情與碧波長 사무치는 정 물결처럼 끝이 없으리.
ファン・ジニ「奉別蘇判書世讓;蘇世譲を見送りながら」
月明りの下 桐の葉 皆 落ちて
霜当たった野菊は 黄色く咲いたな。
樓閣は 高くて空に ついて
行き交う 杯は酔っても 終りがない。
流れる水は 琴のように冷たく
梅は 笛に立ちこめて 香ばしい
明日の朝 貴方を見送ってからは
しみる情波のように 終りがなかろう。
月明りの下 桐の葉 皆 落ちて
霜当たった野菊は 黄色く咲いたな。
樓閣は 高くて空に ついて
行き交う 杯は酔っても 終りがない。
流れる水は 琴のように冷たく
梅は 笛に立ちこめて 香ばしい
明日の朝 貴方を見送ってからは
しみる情波のように 終りがなかろう。
■ファン・ジニの生まれ
生まれは地方官僚黄さんと盲人の女性の間で生まれたと伝わっています。15才に母が無くなったり、隣りの青年がファン・ジニを慕って病気で死ぬようになって自ら芸者の道を選んだと伝わっています。芸者になった後、すぐれた美貌、淡白な性格、清雅な声、芸術的才能によって有名な芸者として名前を揚げました。化粧は一切しなくて髪だけくしけずるだけだったがオーラに包まれて、他の芸者を圧倒したといいます。その美貌で仏教界で当時生きてる仏と呼ばれ、10年間面壁修道で有名だった知足禪師をその修業の高さを試し、誘惑させて屈服させ仏教界から破滅させた話は有名です。
■詩に関わるエピソード及び解説
また、蘇世譲(ソ・セヤン1489~1562)という高位官僚とのロマンスと彼のため作った詩は有名です。蘇世譲(소세양)は官僚職にいながら後輩にいつも「女色に惑いされれば男ではない」と説教しました。 ある日、ファン・ジニの才と顔がすぐれるという噂を聞いてから友達に「私はファン・ジニと1ヶ月を過ごすとしても心が動かない自信がある。もし一日でも長く泊ったら男ではない。もしそうしたら私を「子犬」と呼んでいいから」と言い切って松都に行きました。 しかし実際ファン・ジニに会ってみたら果してすぐれた人物でした。30日を住んで仕方なく去ろうと思うと、ファン・ジニが樓に上がって詩を詠じました。この詩を聞いた蘇世譲は結局、「私は男ではない」と歎息しながら彼女の所に戻って長く留まったというエピソードであります。その後、友達は彼を「子犬様」と呼んだという面白い話があります。
거문고 : 琴 송도3절 : 松都三絶、松都に行ったら必ず見なくてはならない3つの絶景。パクヨンという滝、哲学者 徐敬徳、ギセン(芸者)ファン・ジニといわれています。 기생 :ギセン、芸者、朝鮮時代のギセンは優れた文学と芸術を生んだ特集な女性。70年代使われたギセンの意味とは違う。
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